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増山たづ子「すべて写真になる日まで」

カテゴリー │ちょっとおでかけ

IZU PHOTO MUSEUMで開催されている
増山たづ子さんの写真展
「すべて写真になる日まで」に行ってきました。
増山たづ子「すべて写真になる日まで」

長泉町のクレマチスの丘にあるアートエリアは
何度か訪れていますが、自然との調和が素晴らしい空間
増山たづ子「すべて写真になる日まで」


増山さんはプロの写真家ではありません。
大正生まれの増山さんは、
60歳を過ぎてからカメラ、それも誰でも簡単に撮れるという
「ピッカリコニカ」を手に撮影をはじめたおばあちゃんだったのです。

なぜ、こんなに注目されるのかは、
ダムに沈む自らの故郷を20年以上撮り続けたから。

素朴な自然や人々のスナップ写真なのですが
故郷に対する愛情がたっぷりつまった作品は
素人だけでなく、プロからも注目を浴びています。

私が「ダム好き」なのを知ったある方から
増山さんの存在を教えていただいたのはもう15年近く前です。

ちょうどその直後に、そのダム(岐阜県・徳山ダム)の
建設現場見学会があると聞いて、
「建設中な巨大建造物」なのはもちろんのことですが、
増山さんの存在を思い浮かべながらその地に足を踏み込みました。

その当時は、すでに徳山村は廃村になっていて
立ち入りはできませんでしたが
ダム建設現場近くにあった資料館に
増山さんの写真を展示するコーナーがありました。
増山たづ子「すべて写真になる日まで」
その写真に感動と衝撃を受け、涙なしには見られませんでした涙

増山さんは、その後、徳山ダムが完成するのを見ることなく
2006年にこの世を去りました。
村が完全に水没するわずか数か月前のことです。

そんな増山さんが撮りだめた10万枚近くの写真の一部が
ダム完成から6年経過した今、
IZU PHOTO MUSEUMで企画されたことも感動でしたが
その展示レイアウトも素晴らしいものでした。

一般の写真展のような大きく引き伸ばした作品ではなく
増山さんが年金をつぎこんで現像に出した当時の写真が
そのままのサイズでフレームに飾られ、壁にぎっしり並んでいます。
また、増山さんが録音した村の行事などの音声も流されていて、
約30年前に廃村になった徳山村がよみがえっています。

増山さんが写真とともに記録したメモ書きも掲載され
故郷に対する愛情だけでなく、
ダムやお国への怒り、あきらめも表現されています。

「国が一度やろうと思ったことは、戦争もダムも必ずやる」
「大きな川に蟻が逆らうようなことをしてもムダ」

あきらめの果てに、増山さんはその力をカメラ撮影に注ぎました。

ふるさとをなくしてしまった悲しみは、
その当事者でないと理解できないものがあるかもしれません。
しかし、増山さんのおかげでダムに沈んだ村は注目され
住人とともにたくさんの風景が記録されました。
表現が適切ではないかもしれませんが、
ある意味、歴史に残る幸せな村になったのかもしれません。

完成後の2008年に訪れたダムの様子
増山たづ子「すべて写真になる日まで」
徳山湖に沈んだ旧徳山村
増山たづ子「すべて写真になる日まで」
浜名湖の2倍という貯水量は日本一の規模

写真は、昭和のよき時代をたっぷりと表現しています。
そして、増山さんのメッセージは、今の世の中に訴えるものもあります。

開催期間はあと3週間ほどですが、おすすめの展覧会です。


パソコンIZU PHOTO MUSEUM
http://www.izuphoto-museum.jp/index.html



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